同居
実は五月末、M病院にいった夜旦那さんに
「両親と同居したいと思ってる」
と打ち明けた。近くにいれば色々出来るし、父だけでは母は不安だと思うし、まだ結婚して2年なのでもう少し2人でいたいという気持ちもあるが、今すぐ動かなければ後悔すると思った。母に出来る事は何でもしたかった。旦那さんは
「そういうかなと思った」
と、嫌な顔1つせず受け入れてくれた。要はますおさんになるわけで、しかも母は重病で、今後の彼の負担は測り知れない。それはとても大きな決断だったと思う。彼ならそう言ってくれると思っていたが、それでも渋い顔をされたらどうしよう、別居でやっていけるだろうか、等悪い方も考えていた。彼が旦那さんで本当に良かった。彼を大切にしなければと思った。
実は父も2月に膀胱癌が初期で発見されて、手術をしていた。両親共にほぼ同じ時期に発覚するとは、やはり癌は生活習慣病なんだなと思った。父はすっかりよくなったが、さすがに74才だし、仕事はもうやめよう、と7月に退社する事になった。父の職場の事を考えなくても良いので、私の職場と旦那さんの職場の間で家を探す事になった。
一軒家で広さと家賃、駅までの距離等を考えるとなかなか難しい・・。たまにすごく良い物件も出てくるが内見にいく前にとられてしまう。
そして決まったのがK市だ。K市といえば陽子線のあるH癌センターがある所だ。
K市に母と2人で内見にいって(旦那さんは仕事)、その場で仮押さえして、その帰りに喫茶店で母に陽子線の話をした。
すると、物凄いビックリしたのだが、昨夜父がこんな紙を出してきた、と、陽子線をやっている病院の資料を出してきた。なんというタイミングだろう。父は携帯もパソコンもあまり使わないので、何も調べる事が出来なかったが、それでも何か方法はないかと会社の人に調べてもらったらしい。父は昭和の人で、母が何でも父の事をやっていたので、1人では何も出来ないと思っていた。その父が母の為に動いたという事が嬉しかった。
引っ越し先を探し、やっと決まったK市にはH癌センターや、他にも大きな病院がいくつかある。
もし手術をするにしてもA癌センターは遠すぎる。H癌センターや他の大きな病院も新居から車で20分の距離だ。近場に病院があるのはやはり安心だし、A癌センターはやめてこちらに紹介状を書いてもらおう、となった。