治りますよ
M先生の診療所は一面窓で明るく、クラシックが流れている20畳位の部屋だった。
「大丈夫、治りますよ。」
先生は軽やかにそう言った。その言葉にどれほど救われただろう。その時の母の嬉しそうな顔は忘れられない。姉は東洋医学を信じているわけではないが、母のその嬉しそうな顔を見て賛成してくれた。2つの病院であれほど覚悟を決める様にと言われたのに、まさか治るという言葉を聞けるなんて・・涙が出るほど嬉しかった。
ここで頑張ろうと決めた瞬間だった。
そもそも何故癌が出来たのか、手術等をして癌を取り除いたのに一年内に再発したという話はよくきく。それは癌を取り除いても、肝心の原因を追求し、改善していないからだ。
問題は「血液」である。
長年の生活習慣や食生活で血液が汚れ、血の巡りが悪くなり、外部からきた悪性の菌等に免疫細胞がキャパオーバーになり、出来た物が癌なのだ。
癌は"貴方の体、もう限界ですよ"というサインともいえる。
これはあくまで私の一意見で無論誰にも押し付ける気はない。東洋医学や食事療法や、とにかく読みに読みまくった本や先生の言葉から理解したものだ。
一番母がやってはいけない事は抗ガン剤治療と言われた。癌の種類や状態によっては効くものや、緊急でやらなければいけないものもある。ただ、母には絶対ダメだと言われた。
抗ガン剤は癌を弱める事が出来るかもしれないが、元気な細胞も弱めてしまう。
新気功では固くなった細胞を柔らかくし血流を良くする。抗ガン剤治療とは真逆だ。
先生は、「何もせずほっといたって二年は生きれますよ。抗ガン剤や手術をするから余命が短くなるんです。」と仰っていた。
海外では西洋医学に加え代替療法も協力し合い治療しているのに、日本は西洋医学が強すぎて中々東洋医学や代替療法を取り入れてくれない。この後西洋医学派の親族とぶつかった。母を助けたいという気持ちは皆同じなのに、何故こんな事になるのか・・。正直こんな事に頭を悩ませている時間はないとずっと思っていたが、色々調べてくれて心配してくれて有り難いというのも本心だ。
CTはそんなに頻繁にとってよいものではないし、先生は少なくとも3ヶ月位まで検査しても意味ないという。71歳の母の体はかちこちで、至る所にちゃんと血が巡っていないらしい。膵臓癌を散らばしても滞っているので結局体外に排出されない。だからまずは膵臓癌ではなくそのカチコチの体から解していく。3ヶ月・・癌が発覚してはじめの3ヶ月はとても重要というが・・・
食事療法や生活習慣をかえる様努力していても、晩期の進行癌といわれた母が病院にもかからず3ヶ月というのはとても忍耐力がいるものだ。
それでも信じて頑張るしかない。