母の癌を治す

今癌で不安な人達やご家族に、何か伝えられる事があるかもしれないと思い、書きはじめました。

癌センター

6月22日、セカンドオピニオンとして1度癌センターで診てもらった方が良いんじゃないかという親族の助言でA癌センターに行ってきた。A癌センターはとても綺麗で、コンビニやカフェ等もあり、もし入院するにしてもここなら良いなぁと思った。そして本当に人が多かった。勿論私達の様に付き添いの方もいるだろうが、にしてもここにいる6.7割は癌患者さんなのだと思うと癌患者さんの多さに圧倒された。

膵臓癌で名高いS先生は、B病院やM病院の様にすぐ判定は出さず、ん?といった様子で母のMRI画像を何回も何回も動かし、私達は固唾を飲んで待った。

そして、「これはやはり非常に難しいですが・・胆管まで・・いや・・もしかしたら手術出来るかもしれません。今外科の先生に診てもらいましょう。」と言われ、待合室でまた暫く待つ事になった。

気功と食事療法と生活習慣の改善で治すと決めていたものの、手術出来るかもといわれると心がぐらつく。他の病院ではまず無理だと言われた手術がまさか出来るかも!?なんてことは頭の片隅にもなかった。

暫く時間がたち、又名前を呼ばれた。この状態なら出来るかもしれないが、一カ月前のデータなので今のデータをみないとわからない、新しくとって、外科の先生に診てもらいましょうとなった。次の日、又A癌センターに行く事になった。

翌23日、今度は外科のI先生に診ていただいた。やはり大きくなっていると、今のままでは手術出来ないが、抗ガン剤治療をやって、少し小さくなれば手術出来るかもと。諦めるのはまだ早い。膵臓癌はI〜III期はほんの20%で残りの80%位はIV期だという。母はギリギリIV期に入るというあたりらしい。大きさは4.5cm。あまり大きくなっていない事にホッとしていたので、先生は「?」という顔をしていた。膵臓癌はまず手術、というのが主流だが、手術が成功しても膵臓をとってしまうんだからその後亡くなる方も少なくない(全摘ではない場合も)。もし生存出来ても今と同じ生活は出来ないであろう。先生は、インスリンを出せなくなるかもしれないのでその場合は注射を。膵臓は2/3位の摘出ですむかもしれない。下痢にはなると思うがそこまで生活に支障はないでしょう。このままでは来週、少なくとも再来週には胆管を潰して黄疸が出てくる。今抗ガン剤を始めれば黄疸は食い止められるかもしれない。とにかくすぐ治療をはじめないと手遅れになります。と。

今回使用する抗ガン剤はアブラキサンというまだ治験の段階の抗ガン剤だ。しかしこれが膵臓癌の人にも3〜4割はかなり効くという。抗ガン剤で小さくなり手術をして退院して、予後半年抗ガン剤を投与し、つい先日完治したという方もいるらしい。そこまで効かなくても少し小さくなれば手術出来るみたいで、母も、"まだ見込みがある、もーすぐ黄疸が出る"といわれ、抗ガン剤やるしかないのでは、と揺れていた。アブラキサンの副作用についても丁寧にお話しして頂いたが、二日酔いみたいな気持ち悪さ、微熱、便秘等になるかもしれないというだけで、他の抗ガン剤に比べると副作用は少ないという。

しかしアブラキサンだって母に効くかはやってみないとわからない。やった結果効果がなかったら、他の抗ガン剤、それも効かなかったら又次と続くわけで。効くかわからない抗ガン剤をやり苦しい思いをして、免疫力や体力を落とし、その上ダメだった、という事が最悪の事態であり、その可能性は比較的高い。

とりあえず検討しますと言い、3日後に又行く事になった。その時には抗ガン剤を始める覚悟を決めてくる様にと。

母と姉と私で、物凄く迷いが出た。次から次へと決断を迫られて、誰か道を示してくれと何度思った事か。

母と姉は抗ガン剤やってみても良いという。でも手術で全摘はさけたい。私は膵臓を少しは残す手術だけなら良いが、抗ガン剤は反対だ。それでも母が抗ガン剤をやると決めたら全力でサポートはするつもりだった。

とりあえずその場で考えても答えはでないのでそれぞれの家へ帰った。

私は帰宅中、実際にアブラキサンをやった患者さんはいないかとブログ検索しまくった。何も考えられない程つめこまれた頭で、でもどーしたら良いのかわからない虚無感もあり、でも期日が迫ってるので調べなければ、と頭がぐるぐるしていて、大量のタッパ達をどこかの駅に忘れてきてしまった。